漢方医として診療をしていますが、最終的にはなんだかんだで養生次第だなあという結論に達しつつあります。
漢方薬も有難い存在で、適宜強力な助っ人とはなってくれますが、人間の困りごとを一から十まるっと助けてくれるとは限りません。
とはいえ、養生が最初から簡単にできるのであれば人はそうそう病気にならないのでしょうから、
言うは易し、だよなあと思うこともあります。
治してなんぼ、というのもあるかと思いますが、それだけでは収まらないこともあります。
病気を治す、治さない、だけではなくてそもそも元気になるための医療をしよう、というのを最終目的としての医療の実践を心がけていますが、
びっくりするほど上手くいくこともあれば、そうでない時もあります。
そうでなかった時は、持ち前のオタク精神を発揮して、智慧が尽きるまで次の策を考えるようにしていますが、まだ人間の精神や身体については知り尽くされているわけではありません。日々精進です。
ずっとブログに書いている気がしますが、治る治らないの
おそらく最初の分かれ道は、変われそうと思えるか思えないか。
ずっと今までこうだった、こういう時にはいつもこうなる。
遺伝だから、性格だから、こんなもんだから、これは治りっこない。
私はずっとこのまま。
と心のどこかで信じてしまっていると、治るもんも治りづらくなります。
そうでなくて、辛い状態から辛くない、ちょっと楽しい嬉しい日々に変化していくことは、誰にでも可能なことだと思っています。
時間がかかっても少しずつよくなることはありうる。
ぱっと見の激変がなくとも、人は変わりうるもの、体の状態も変わりうる。
ある日突然というよりは、ふと振り返るとずいぶん変わっていたなあ、という変わり方のことが多いように思います。
そうすると、なんか世界が変わって見えて、体も軽く感じて、今までよりもちょっとしたことが楽しかったり幸せだったり思えるようになる。
自分の可能性も、今までよりもぐんと広がって見えて、全然無縁だと思っていた世界に縁ができたり、遠い遠いと思っていたところが急に身近に感じられたりする。
そんなことをふんわりと楽しむのに、春はもってこいの季節だなあと思います。