よくある質問

Q:漢方薬を飲んだことがないので、飲めるのか、続けられるのか心配です。

A:全く飲まれたことがない方や、服用が続けられるかご心配な方には、少量から始める、比較的抵抗なく飲めるタイプの方剤から始めるなど、ご相談の上工夫をしていきます。

そのあとの治療の際も、本人さんの意思を尊重して、少量の薬で治療していきたいという人にはそういう工夫をしていきます。


Q:わたしの病気(いろいろな西洋医学的病名)は漢方薬で治りますか?

A:病気の性質や、ご本人の気の持ち方などによります。

長年困っておられたの病気が、すぐに良くなることもあれば、当然そうでないときもあります。

一般的に言って、形の異常をともなう病気(大きな腫瘍、体の変形など)は、漢方薬を以ってしても完全治癒ということは難しいです。しかし、それに伴う体調不良を改善させることは可能かもしれません。

必要に応じて、どこまで治療効果が期待出来て、どこからは難しいか、理解しながら治療を受けたいという思われる方にはしっかり説明しますので、ご自身の場合はどうなのか、お尋ねになってください。


Q : 本当に良くなるのかが気になります。

A : これまでの経験上、きちんと診断(弁証)をすることで、もしそれでも不十分な時は、生活習慣や普段のご様子などを聞いて対策を練ることで、初診のときには非常に状態の悪かった方でも数ヶ月以内に改善するかたが多数おられます。医療機関という性質上、細かい治療結果をのせることはガイドライン上禁じられていますが、漢方薬は決して「気のせい」で効果があるわけでなく、合う処方をしっかり飲むことで、心身の状態に変化をもたらすことを日々感じています。

「こんな症状、病気に漢方がきくのだろうか」という質問にも、その可能性や、細かい疑問点についても受診された時に詳しくお話ししますので、ぜひまずはご相談ください。


Q:どれぐらいで効きますか?長く飲まないといけないですか?

飲んだ瞬間に変化を感じたという人もあれば、数か月たっても「変わりありません」とおっしゃりつつ、症状が消えているという場合もあり、一概には言えません。が、おおむね2週間ぐらい以内には、何らかの体調の変化が出始めていることが普通です。

詳しくお話を聞きながら効果判定をしていき、同じ処方をそのまま続けるか、変化させていくかを毎回検討します。

長く飲むべきかどうかは、病気の種類、ご本人の希望などで変わってきます。

良くなったらすぐやめてよい時もあれば、症状がなくなったからといって、すぐにやめないほうが良い場合もあります。しかし、ご本人が意義を感じていない薬を長期に続けるのも好ましくないと考えます。何か治療方針に対し希望があれば、都度ご相談しながら治療を進めていきます。


Q : 漢方の副作用ってどんなものがありますか。

ある種の生薬にアレルギーをもっておられて発疹が出てしまう例は時々あります。また、麻黄は非常に効果の高い生薬ですが、体質によっては動悸などを起こしてしまう場合があります。甘草は長期大量投与すると低カリウム血症を起こす可能性があり注意が必要です。黄ごん等による肝機能障害が起きることもあります。

その他、いくつかの生薬は胃の不調を起こすことがあります。この場合は、その生薬を避けるか、飲み方を変えたり工夫をします。

西洋薬との相互作用で副作用を生じる時もありますので、内服している薬がある方は飲み合わせを確認する必要があります。

その他大黄・山梔子の長期投与による問題も起こり得ます。

いずれも、副作用を念頭に置いて気をつけて使用することで、命に関わる大きな問題にはなりにくいと考えますので、「副作用があるから怖い」と最初から服用をためらうのはもったいないと考えています。


Q : 初診の予約料をみて正直なところ受診をためらいます。なぜそんなにかかるのですか?

日本の医療制度においては、5分で診察を終えても、1時間かけてお話を聞いても、発生する料金が同じとなります。検査をすれば検査代が発生しますが、漢方における脈診や舌診、腹診は西洋医学における諸検査と同様診断・処方決定に有用ですが検査代は発生しません。また、処方で効果があったかどうかももちろん料金には反映されません。しかし、医療機関を維持するのには、当然ながら一定の経費が必要です。(たまに国から補助が出ていると思っておられる方がおられますが、出ていません。)

そのため、初診であろうとも5分10分で話をし、検査をし、処方を出す、というのが世間の一般的な医療のあり方となっております。急性疾患であればそれで十分かもしれませんが、長い経過の慢性疾患、さまざまな症状を抱えておられる方をその時間で診るとなると、いろいろなことを省略しないと対応不能となります。

個人的なこだわりで丁寧な診察、効果を出す治療というものを追求して漢方治療等にいきつきましたが、上記のような事情から、頑張れば頑張るほど、医療機関、医療体制を傾ける方向に向かってしまうという経験をしてきました。

 

どのような業種でもこういった傾向はあるかと思いますが、医療の場合は国が料金を決めていますので、一般的な業種のように、個々でサービス内容に応じて料金設定をするということができません。

初診時には30分以上かけて状況把握をして診断治療を行うという、医師にとっても患者さんにとっても「贅沢」な医療を行うために、当クリニックでは予約料を導入しております。

その一方で、検査の類は最小限にしておりますし、できるだけ早く結果を出す努力を常にしております。

数ヶ月、数年といった幅でみると、結果的にご負担になられる医療費としてはむしろ低く抑えられていると自負しています。

 

このように長い目で見ると決して法外な予約料とはいえないと考えておりますが、漢方治療は受けたいが予約料に納得がいかない、という場合には通常の医療機関で漢方治療を受けられるか、まずは予約外枠でとりあえず簡単にお話しさせていただいく形にさせていただくことをお勧めします。

 


Q : どのような領域を専門にしていますか。

院長の戸城は産婦人科専門医ですので、婦人科領域の疾患である更年期障害、月経前症候群、月経困難症、月経不順、不妊症(なかでもIVF治療のサポート)を得意としていますが、これまで漢方治療においては自分の専門性にこだわらず治療を行なってきました。

 

内科領域の病気、自己免疫疾患や生活習慣病、整形外科領域の病気、皮膚科領域の病気、精神科領域の病気、各科の悪性疾患、眼科耳鼻科領域の病気の治療も、クリニック内で行うことは漢方治療に限定してはいますが、漢方専門医として全力で取り組んできました。

 

それぞれの専門科で従来の治療を受けつつ症状が安定して薬を減らすことを目指している患者さん、または専門の先生からとくに治療法はないと言われた症状や病気をお持ちの患者さんに対しても、体質改善としての治療経験を積んできており成果をあげています。

 

さらに病気に関連した心理的側面からのアプローチも得意としています。

いろいろな悩みや症状、病気を抱えた方の心理サポート、精神科心療内科通院中の方に対しても、有用と考えた場合には認知療法的な観点も加えつつの治療を行なっています。校医・産業医での経験から、不登校や職場での適応障害をきたし不調となっている方の治療にも力を入れています。発達障害やそのグレーゾーンの方への日常生活でのアドバイスも得意としており、漢方治療で学校に行けるようになった、仕事に復帰できたという方も数多くおられます。

 

このように臨床上いろいろなことをしていますので、これが専門、これが得意と逆に言いづらいのですが、東洋医学的、心理学的アプローチをすることで、西洋医学的な専門領域を超えた治療が可能で、それを日々実践しております。

 


Q: 体調が悪いのですが、診断がつかずに困っています。こちらで診断をつけてもらったり、診断書を書いてもらうことはできますか?

大変申し訳ないのですが、上記にある通り、院長戸城が専門医を有しているのは産婦人科と東洋医学だけです。その他の領域について、漢方治療での対応は可能ですし、治療効果も期待できますが、その他の科の病気の専門的な診断は行っていません。したがって、原則診断書も発行しておりません。

 

例として、精神疾患や発達障害、各種アレルギー、皮膚科疾患、化学物質過敏症、副腎疲労などの西洋医学的診断は行っておりません。(ご希望であれば東洋医学医学的な診断、解釈の説明は可能です。)

それらの不調に対する診断のみが希望の場合は、各専門科の医師にご相談され、診断を受けるよう、お電話の時点でお願いしております。

 

もちろん、それらの不調に関しての東洋医学的な治療は行います。診断がついていなくても治療は可能ですので、診断名はともかくも不調を改善したいという方は、ぜひご相談いただければと思います。


以降、質問事項随時追加予定です