当クリニックでは東洋医学を主体とした、通常の西洋医学の中ではあまり取り扱わない医療を行うことに特化しています。
しかし、西洋医学に大きな利点があることも事実であり、西洋医学の意義を否定するべきではありません。とくに、感染症の制御、外傷治療、心血管系などの救急救命の分野、診断学においては、西洋医学は大きな役割を果たしおり、その恩恵は最大限に受けるべきです。当院では役割分担のために行っていないだけとご理解ください。「漢方専用」のかかりつけ医として、必要に応じてその他のかかりつけのドクターと並行する形で御受診ください。
初診時に西洋医学的治療を既に受けておられる方は、原則として、現在おかかりの病院、医院での治療を継続して受けていただきます。まだ診断がついていない、病状が急を要するといった場合には、先に診断、治療を受けていただくために、通常の医療機関をご紹介する場合もあります。
現代医学は高度に専門分化されているため、症状が重い時にはまずはそれぞれの専門の医師に診療を受けるのが最適です。従来通りの標準治療を受けつつ、その一方で日常生活において、中から体質改善をしていくことで、薬の必要量が減る、さらには治療が不要となる状態を目指します。
また、西洋医学的治療が存在しない、全く効果を発しない、そして病名もつかない病状もあります。
全身がだるい、気分が落ち着かない、もやもやするなど、さまざまな症状がありますが、それらに関しては、漢方薬などの治療が有効であることが大変多いです。
あきらめてしまわず、一度ご相談いただけたらと思います。
漢方治療や自然医療のめざすところは、体のバランスの回復、それにより自然治癒力を取り戻すことです。最終的に体を治していくのはもともと備わっている体の仕組みですので、体の状態を強力にコントロールする西洋医学の薬剤に比べると、副作用は少なく、マイルドであることが多いです。
ただし副作用が少ないとはいえゼロではありませんので、体の様子の変化に気をつけながらの服用が必要です。
今現在症状が出ている局所の状態をしっかりと把握することも大事ですが、体全体の状態、さらに気分や睡眠などの、精神状態、心の状態についても考えて治療することが、とくに長く続いている病気に対しては大変重要です。
逆に、長年続いていた悩みが、全体像を把握して体全体のバランスをとるという治療をしたり、生活上の改善を試みることで、一気に解決していくこともよくあります。
なかなかよくならない病状にお困りの方に是非ご相談いただけたらと思います。
漢方や自然医療での治療が進んでくると、多くの患者さんが「元気」になってこられます。病気が治って元気になるという現象は、通常の医療現場でも「病気の状態ではなくなる」という形で、もちろん見られることではありますが、自然治癒力が高まっての元気さは、一見して違いがわかるような、生き生きした感じがあります。
生き生きした状態というのは、病を遠ざけるだけでなく、何よりご本人が、いろいろなことに取り組んだり、今まで手をつけられていなかった課題に取り組んだりという意欲の向上も伴います。
人生にはいろいろな困り事が起こりますが、それを乗り越える力もついてきます。
当クリニックの医療の究極の目標は、心身の悩みで困っておられる方に、この「元気さ」を取り戻していただき、楽しく人生を送っていただく一助となることと考えています。
本来歴史的には全ての人対象で始まった医療ですので、絶対的に「漢方向き」「向いていない」という分け方ができるわけではありません。とくに、風邪などの急性疾患では、本来誰もが適応になります。
実際、江戸時代まではほとんどの人が風邪をひいて医師にかかる時には漢方薬を用いていたわけです。
一方慢性疾患の治療においては、経験的に、これらの治療体系が向いている人とそうでない人におおまかな傾向があると考えています。ご参考までに記しておきます。
*とくに向いている人:通常の西洋薬ではすぐに副作用が出てしまう人。こつこつ毎日薬を飲む、自分の体調を観察するのはそんなに嫌ではない人。食生活なども気をつけている、または気をつけないといけないなとは思っている人。生活全般において、自然のものが好きな人。
*あまり向いていない人:薬に味があるのは嫌な人。すぐさまに症状がとれる西洋薬を愛用していて、とくに問題がなく、満足している人。せっかちな傾向があり、毎日続けて薬を飲むのはおっくうに感じる、1−2週間も待てない、飲めばすぐに良くなる薬を探している人。医師に食べ物のことや睡眠のことを聞かれるのはうっとおしく感じる人。
向いていない人も、漢方薬の効果がないというわけではありません。最初は不承不承でも、効果が出てやる気がアップして続けている人もおられます。
向いていない方はそもそも、漢方薬に興味のない方が多いですが、周りの人に勧められたり連れてこられたりしても、続けられず、効果を見る前にすぐにリタイアになってしまう傾向があります。
上に書いた漢方治療に適応のある方はほぼ自然医療も向いていると思われます。西洋では漢方治療を受けるタイプの人は、(漢方治療は欧米では一般的ではないので)その他の自然医療を受けておられます。
漢方薬の難点として、味があること、使い方によっては副作用が出ること、続けるのに根気がいること、などがあります。この欠点を補える方法を考えて戸城はホメオパシーなどの自然医療を学びました。また、薬を使わず健康に向かう方法として、心理の勉強も(独学ですが)続けてきました。
これらのことから、漢方でないその他の「自然医療」(カウンセリング、ホメオパシー)が特に向いている人は、以下のような感じになります。
*漢方薬の味がどうしても受け付けない人。
*毎日薬を飲むのを数ヶ月継続するのは難しい性格の人。
*漢方薬であっても、副作用が様々出てしまう人。
*心理的な問題が強くあり、漢方薬で改善はあっても、さらなる改善に繋がりにくい人。
自然医療は日本の国民皆保険制度でカバーされておらず、自費診療になってしまいますが、他の医療で手詰まりになっている人には、とても有効だと考えています。
興味を持たれた方は、一度ご相談いただけたらと思います。
東洋医学においても栄養療法(食養生)は非常に重要です。近年漢方治療、心理療法等のみならず分子栄養学領域の知見を活かして栄養療法を併用することで、体調の回復が早いこと、また漢方等では治りきらない不調が栄養療法でさらに改善することを経験するに至り、積極的に栄養療法を取り入れています。
栄養療法の取り組みには、食べ物の選び方、食べるタイミング、購入するべきサプリの検討など、ある程度ご本人が労力を払う必要がありますが、その時その時の状態によって頑張れる度合いが異なります。
栄養を気にするあまりに本末転倒にならないよう、逆に薬などに頼りすぎて食生活が疎かになりすぎないよう、バランスを意識しながら治療方針を立てることにしています。